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日商簿記検定3級試験の解説ー第141回過去問 <難問>のポイントー

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あなたは、日商簿記検定3級試験に合格するために必要なことは何かおわかりでしょうか?

日商簿記検定3級試験に合格するために必要なことは、TAC・クレアール・ユーキャンなどの通信講座を利用することです。そして、試験学習の締めに過去問を9回分(3年分)解いて分析することです。

その理由は、通信講座を利用することで試験範囲を網羅できるからです。さらに、過去問を分析することで、しない場合よりも5~15点程度得点をアップできる可能性があるからです。

たとえば、過去問で合格率が低かった第141回の事例で解説をしていきます。第141回の合格率は26.10%と平均よりかなり低めで、難易度の高い問題といえます。したがって、試験前に余裕がある場合のチャレンジ問題といえるでしょう。

今回は、第1問の仕訳問題、第3問・5問の総合問題が難しく、総合問題は2問合わせて60点満点になります。対策をしないで本試験にのぞみ、壊滅的な結果になった受験生は多かったと想像します。このように難問の回もありうるため、どのようにして合格点をとっていくかについて説明をしていきます。

日商簿記検定3級試験は、全部で5問出題され、その傾向はほぼ決まっています。学習の締めとして過去問を解くことで出題の傾向を把握することができ、良問を解くことで基礎から応用へとあなたの簿記の実力アップを図ることができます。

そこで、このページでは日商簿記検定3級試験対策としての過去問分析の大切さを認識していただくために、第141回の本試験問題を解説していきます。

Contents

第141回のポイント

日商簿記検定3級試験に出題される問題は全5問、出題傾向はほぼ毎回同じです。したがって、出題のポイントをおさえておくことで、そうでない場合と比較して5~15点程度得点をアップすることが可能になります。以下、第1問~第5問の出題のポイントを解説していきます。

第141回でのポイント!

第1問~第5問を見て気づくことは、日商簿記検定3級試験も毎回質・量ともに平均的な出題がされるわけではないことです。

 

今回は、第1問・3問・5問が難しい問題でした。これらを合計すると80点になります。

 

そのため、比較的簡単な第2問・4問は満点(20点)をとらなければならなくなります。

第1問は3問正解して12点狙いとなります。ここまでで32点です。
第3問の総合問題は30点中20点を死守して、第5問の総合問題を18点とりに行くという姿勢が本試験では必要になってきます。

 

決して悪問ではないのですが、総合問題(第3問・5問)においても勘定記入問題(第2問)においても質・量ともに高い問題が出題されています。実力が十分にある受験生にとってはウェルカムなまっとうな問題ですが、そうでない受験生の場合には、配点を読んで部分点を積極的にとりに行くというテクニックも必要な問題です。

 

毎回毎回平均的な問題ではないという経験を今回で積めることを良い方向に考えましょう。総合問題が難しいと焦る気持ちになりますが、過去問で対策をたてておけばある程度平常心が保てるのではないでしょうか?

 

このような合格点をとるという視点をもつことと、あきらめない気持ちが大切と思わせてくれる問題でした。

第141回の問題解説

第1問から第5問まで順番に、重要性の高い事項について解説していきます。

第1問 仕訳問題(20点)

第1問では、個別論点を理解しているかが問われます。毎回、5問ずつ出題されると考えておいてください。1問正解で4点ですが、今回は3.及び4.が難しい仕訳であるため、それ以外は絶対に落とすことができない問題です。

  1. 手形割引:通常の手形割引問題です。早めに現金化したいときに、銀行に手数料を支払って資金化します。手数料は、「手形売却損」で仕訳します。
  2. 当座預金預入れ:当座預金口座を開設した場合には、「普通預金」勘定から「当座預金」勘定に振り替える仕訳をします。手数料の支払いは「支払手数料」勘定を使います。
  3. 貸倒処理をした売掛金の処理:「償却債権取立益」勘定を使用します。
  4. 仕入取引:業種が問題文中に書いてある場合は、固定資産なのか仕入れなのかを注意して判断してください。仕入れの際に支払った引取運送費は、仕入原価に算入します(理由:仕入れ諸掛りだから)。
  5. 税金納付:固定資産税は通常は年4回の納付です。未払計上「している場合」と「していない場合」とで、2パターンの解答が認められます。前者は借方科目=「未払金」、後者は借方科目=「租税公課」となります。

貸倒処理済の売掛金回収の勘定科目をおさえること!

仕入と固定資産の判断をできるようにすること!

問題文中に使用してよい勘定科目が記載されているので、指定された勘定科目を使うこと!

第2問 当座預金の勘定記入ー二勘定制ー(10点)

第142回第3問でも当座預金に関して細かく出題されていますので、参考にしてください。「当座預金」勘定の仕訳自体は非常に簡単です。しかし、勘定記入の問題として「当座預金」が出題された場合には要注意です。

1.二勘定制の意味を理解していること

「当座預金」は、無利息で銀行にお金を預けることです。ビジネスを行う際に事業用のお金を出し入れするための預金と考えてください。

「当座預金」勘定の中ですべて記帳していくのが一勘定制、「当座預金」勘定がマイナスになった場合に「当座借越」勘定を使用するのが二勘定制です。

  • 当座預金:借方の資産科目(ビジネス上の通常の預金)
  • 当座借越:貸方の負債科目(当座預金がマイナスになった場合に発生)

2.当座預金勘定と当座借越勘定のT字勘定を正確に記入すること

「当座預金」勘定は入金出金の動きが非常に多いことが特徴として挙げられます。したがって、仕訳はもちろんのことT字勘定に日付と金額を記入して残高を把握しておくことが大切です。

ましてや、二勘定制の場合は「当座預金」と「当座借越」の2つの勘定にわかれるため、複雑になります。したがって、二勘定制の場合にはT字勘定を書いて残高を把握しておかないとミスをすることにつながります。必ずT字勘定に記入していって正解につなげてください。

当座預金=資産勘定

当座借越=負債勘定

T字勘定を記入して当座預金がマイナスになる時点に注意!

Coffee Break

「当座預金」は、実務上非常に大事な勘定です。個人であれば銀行口座を開設する場合は「普通預金」を作るでしょう。しかし、ある程度の規模の会社になると当座預金口座を開設することになります。

銀行からの信用力が高くなってくると、たとえば『1千万円までは、当座預金の残高がなくなっても一時的に貸しますよ。』という話が銀行サイドからでてきます。これが「当座借越」です。銀行サイド(=貸す側)からすると「当座貸越」といいます。

多くのお金を扱ってビジネスを展開してくときに一時的に資金がマイナスになるときもまれにあります。このときにいったん銀行が肩代わりして払ってくれる制度のことを「当座借越」といいます。

その他には、銀行からお金を実際に借りることもあります。これが「借入金」です。このようにビジネスをするにはお金が必要なのです。大きな仕事をするには、多くのお金を使って利益をあげて会社を成長させていく必要があります。

利益を継続的にあげることができるようになれば、銀行他の金融機関も信用をしてくれるようになります。その結果、より多くのお金を貸してくれるようになり、「当座貸越」の枠を広げてくれるようになります。

第3問 月中取引欄のある残高試算表(30点)

本問題は、月中取引の仕訳を行って月中取引欄に記入をして、期首残高を足して最終的に試算表を作成する問題です。仕訳の難易度も高くはなく、試算表作成を手順通りに行えば正解までたどり着けます。

しかし、「仕訳の数が多いこと」「重複仕訳をしないように注意すること」「月中取引は月中取引欄に書き、期首残高は足しこまないこと」など注意する点があり、満点をとることが難しい問題といえます。

また、月中取引も「現金」「当座預金」「仕入」「売上」といった大事な勘定科目で多くの取引を仕訳することが要求されていますので、普段地道に問題に取り組んでいる実力者でないと厳しい面があります。

ただし、正確に切ることができ、残高試算表に反映させることができれば、満点がとれる問題です。以下、注意点を2つ確認しておきます。

1.重複する取引を問題から読み取り除外する

2.仕訳を正確に行う

間違えやすい仕訳を2つ解説します。

参考になりますが、本問で出題されているその他の仕訳は通常の個別論点でおさえられる仕訳です。

①借入金の元利合計支払い

【問題】当座預金に関する取引 h.

・借入金の元利合計支払い¥505,000

(支払額のうち、利息は¥5,000である)

【仕訳】(単位:円)

借方 貸方
借入金  500,000 当座預金 505,000
支払利息    5,000

【解説】

借入れた時の「元金」と借入金に対する「利息」を合わせて「元利」といいます。

・元金=500,000円(差引計算)

・利息=  5,000円(問題文中)

②前期に発生した売掛金の貸倒れ

【問題】その他の取引 b.
・前期に発生した売掛金の貸倒れ¥8,000
【仕訳】(単位:円)

借方 貸方
貸倒引当金 8,000 売掛金   8,000

【解説】

貸し倒れた時期が、当期なのか前期以前によって売掛金の相手勘定が異なってきます。

・前期に発生した売掛金の貸倒:貸倒引当金

・当期に発生した売掛金の貸倒:貸倒損失

その他に、本問のような量的に多く、地道なトレーニングを積み重ねてきた受験生に有利となる問題が出題されたとき、どのように対応して点数をとりに行くかについて述べていきます。

【合格点をとるテクニック】

1.解法手順を明確にしておく

ⅰ)月中取引の仕訳

ⅱ)月中取引欄の勘定科目毎の残高を記入

ⅲ)期首残高欄と月中取引欄の残高を足し、試算表の残高欄に記入

2.解法のテクニック

ⅰ)配点のある科目を予想する

・問題文中にある取引を確認する

⇒現金取引・当座預金取引・仕入取引・売上取引・その他の取引の各ブロックに分かれている

⇒現金・当座預金・受取手形・売掛金・買掛金・売上・仕入の残高部分に配点があるとわかる

⇒発送費の残高部分に配点があるとわかる

ここまで予想ができると、8~9割の配点が判明するため、ポイントを持ったうえで問題文を読み、仕訳~月末残高へとスムーズに考えることができる。

ⅱ)結果として、配点のある科目の月末残高(金額)が合うことで得点につながる

解法のテクニックをつける!

第4問 文章問題<穴埋め>(10点)

「簿記一連の取引」「財務諸表」「勘定の振替」「伝票会計」が理解できていれば満点の取れる問題でした。以下、簡単にまとめておきます。

1.穴埋め問題の解答(会計用語)

  • 貸借対照表:財務諸表のひとつ。一企業における一時点の資産、負債及び純資産の状態を示す表。対になるものが、損益計算書。
  • 繰越試算表:決算振替仕訳後の資産、負債および純資産の各勘定残高を集計し、その借方合計と貸方合計の一致を確かめる表。
  • 損益勘定:個人商店において、決算振替仕訳により当期純利益または当期純損失を計算する際の勘定。
  • 資本金:個人商店においては、決算振替仕訳により損益勘定で計算された当期純利益または当期純損失を振り替えられる側の勘定。
  • 振替伝票:3伝票制において、現金の入手金を伴わない取引を記入する伝票。

2.勘定締切の流れの確認

以下に示す順序で勘定を締め切り、残高一致の確認をします。

①P/L視点:収益・費用勘定締切

ⅰ)決算整理後収益・費用の各勘定残高を損益勘定へ振替

ⅱ)損益勘定貸借差額で当期純利益または損失を計算

ⅲ)当期純利益又は損失を資本金勘定へ振替

②B/S視点:資産・負債・純資産勘定の締切

ⅰ)決算振替後の資産・負債・純資産の貸借差額として、次期繰越金額を計算して、記入

ⅱ)繰越金額を試算表で検証する

ⅲ)貸借一致で完了

本問は、会計専門用語の理解度を確認する問題です。基本問題なのですが、計算にばかり神経が集中してしまうとミスをすることにもなりかねません。この問題を良い機会に、簿記一巡の取引をご自分の頭で整理してみてください。一本通して頭をクリアにすることで、今まで勉強して各項目の点と点がつながり、一本の線になることがおわかりいただけると思います。

第5問 財務諸表作成問題 (30点)

決算整理前残高試算表に、決算整理仕訳を加えて財務諸表(損益計算書・貸借対照表)を作成するオーソドックスな問題でした。しかし、個別論点を正確に迅速に仕訳を行う必要があることと、第3問とあわせて総合問題が質・量ともに高い硬派な問題ですので、難問の部類に属すると考えてよいでしょう。

ポイントは、次の2点です。

1.推定を正しくする

・資本金の推定

・現金の推定

2.難しい分野の仕訳を正確・迅速に行う

・現金過不足

・売掛金の回収(未処理事項⇒貸倒引当金の設定時に注意)

・売上原価の算定

・固定資産の減価償却費の計上(直接法)

・消耗品費から消耗品への振替

・経過勘定科目の仕訳:「前払い保険料の計上」「未払利息の計上」

(参考)経過勘定科目の具体的勉強方法はこちら

今回は、「推定を正しく行うこと」と「難しい分野の個別論点をいかに正確に素早く仕訳を行うこと」が合否の分かれ目でした。

まとめ

以上、第141回日商簿記検定3級試験問題の解説をしてきました。第141回は第1問・3問・5問が難しく高得点がとりにくい問題でした。仕訳問題と総合問題は簿記検定試験のコアとなるものなので、通信講座で論点を網羅して、かつ本ページで過去問対策まで行っていれば焦ることなく本試験にのぞめます。

試験前に余裕がある場合は、チャレンジしてみるとよい問題です。余裕がない場合には自信を失うかもしれませんので、解く必要はないと思います。さらっと眺めて雰囲気を把握しておくだけで十分です。

過去問に関して、「直近の問題は出題されないから見る必要はない」と考える方がたまにいますが、決してそうではありません。テキスト⇒問題集⇒模擬試験⇒過去問とステップを踏んで学習を進めてきたあなたは、過去問を解き分析することの大切さは十分おわかりだと思います。

過去問で合格率が40%前後の回は良問が多いといえます。したがって、あなたが受験する回と近い回のものであっても、出題の意図を把握して苦手な分野の確認をし、意味をよく理解してください。そうすることで、受験前の総復習として過去問は最適な教材となります。

冒頭で過去問を3年分(合計9回分)解くべきと書きましたが、テキスト⇒問題集⇒模擬試験とステップを踏んできた結果、どうしても時間が足りない方には1年分(合計3回分)だけでも時間を計って解くことをおススメします。このプロセスを入れることで試験の傾向をご自身で把握でき、本試験で見たことのない問題が出題されたときにも慌てないで済むからです。

テキスト⇒問題集⇒模擬試験とステップを踏んできたあなたが見たこともない問題は、他の受験生も同様です。120分という時間配分をうまく使って、その問題は最後に回せばよいのです。7割以上得点をして合格することが目的なのです。

この記事を読まれたあなたが日商簿記3級試験受験を決意し、合格を勝ち取られることを私(管理人)は切望しております。

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