簿記学習を開始してから問題を解く段階で、「記憶が定着しなていない」と感じることはありませんか?
これは『問題集 間違いノート』を効率よく作成していないことが原因です。講義受講後に「問題集の該当箇所を解いて」「理解度を確認して」「アウトプットトレーニングする」プロセスには、全く問題ありません。しかし、最終の仕上げとして『問題集 間違いノート』を作成しないと、不得意な問題は毎回間違えることになってしまいます。
問題集を解いたままで放っておいた場合、次のようなことが起きる恐れがあります。たとえば、経過勘定項目が苦手の場合「期間帰属が理解できていないのか」「総合問題での出題でミスをしたのか」などの苦手な項目を把握しなければなりません。しかし、問題を解いて間違えたままにしておくと、自分で反省する場面がなくなり、結果として問題を間違える度にスルーしてしまうのです。
記憶に定着させるためには、間違えた問題を一定期間内に繰り返し確認する作業が必要です。確認するためには「問題を解き直し」「アウトプットトレーニングをして」「記憶に定着させること」が大切です。
アウトプットトレーニングのためには、間違えた問題を再度自分の頭で考えて、間違えた回数が2回までの問題は解答・解説の行間に間違えた理由を追記しておくことが重要です。
間違えた問題は、解き直しの回数を重ねる毎に関わる時間が短くなっていきます。したがって、問題の解き直しは多くの時間を要するものではないのです。むしろ回を重ねる毎に効率的になり、時間がかからなくなるため効率的な学習法なのです。
だめ押しとして、3回連続で間違えた問題を『問題集 間違いノート』に記入することで、自分の苦手問題の克復パターンを次に示す順序で把握して、間違えないようにすることができます。
ⅰ)自分の弱点把握
ⅱ)記憶をたどりつつ書く
ⅲ)頻度をあげる
ⅳ)記憶に定着させるプロセスが明確になる
ⅴ)自分の苦手克復パターンを把握できる
ⅵ)間違えないようにすることができる
簿記の知識が習得できているかをを試す段階では、各種『間違いノート』を作成して記憶に定着させることが大切です。
そこで、このページではアウトプット学習としての『問題集 間違いノート』の作成方法・基準を具体的に示していきます。
Contents
簿記講義受講後に行うべきこと
専門学校を利用することが簿記検定試験にラクラク合格する早道です。
講義受講時は内容の理解に集中し、「講師の追記指示」「理解の助けになること」をテキストの行間や余白に追記するようにしてください。
そして、簿記講義受講後の留意点は「講義受講後に時間を置かずに、問題集を解く」ことです。
その意味では、簿記の通信講座を是非おすすめします。なぜなら、テキストに洗練された問題集が必ずついているからです。簿記講義受講後すぐに問題集の該当する問題を解き、理解がどのくらいできたかを確認してください。
【簿記ができるようになるための6STEP】
ⅰ)講義受講
ⅱ)受講時、テキスト類へ行間書込み法実践
ⅲ)受講後、該当問題を解く
ⅳ)間違えた問題を3回解き直す(確認)
ⅴ)3回間違えた問題は、『問題集 間違いノート』に書く
ⅵ)本試験対策に進む(模試・過去問で対策=応用が効く)➡合格
ⅰ)~ⅵ)のSTEPの順序は守ること!
【簿記検定合格の3POINT】
- 問題集を解くまでの段階は、カリキュラムにしたがって順番に学習を進めることこと!
- 途中に穴をあけてしまうとわからなくなってしまうので「講義➡問題演習」をサボらないこと!
- サボらない=タンタンと学習➡ラクラク合格!
Coffee Break 五感を使う!
講義受講時は、画像(=目で見ること)と説明(=耳で聞くこと)に集中してください。そして講義受講後は、問題集の該当箇所を自分の頭と手を使って実際に演習をすることで、「理解度確認」「弱点把握」してその後につなげることができるのです。
簿記試験に限ったことではありませんが、五感をフルに使って学習すると驚くほど実力がつきます。インプット学習段階は、「板書を目で見て」「講師の声を耳で聴いて」簿記知識をインプットしていきます。そして、アウトプット段階では「受験仲間と声を口に出してディスカッションする」「チャットでやりとりする」「自分で声を口に出して印象付ける」「問題を手を使って解き、ノートに手で書く」ことで、自分の頭の中にしみこませることができます。
五感の「味覚」はありませんが、学習に疲れたときに「甘いものを食べて脳をリラックスさせたり」「合格してからおいしいものを食べるイメージしたり」しましょう。自分へのご褒美のイメージも含めてモチベーションアップにつながります。
「第六感」に関しては、本サイトのスタディメソッドにしたがって学習を進めることで自然に「勘」がついてきます。私も30年近く会計・税務の仕事をしているおかげで、仕事をする上での「勘」が働くようになっていますので、学習が進んだ未来のあなたの「第六感」が働くようになっていること請け合いです。
具体的には、手と頭を使って問題演習をして記憶に定着させるためのステップを踏むことです。
【簿記知識を記憶に定着させる3STEP】
- 講義後、問題を解く
- 間違えた問題を明確に把握する(確認)
- 3回解き直しても間違えた問題を『問題集 間違いノート』に書く
このように講義後の問題演習で行う順序を決めておくことで、ムダのない効率的なアウトプット学習ができます。
問題集を解いた後に行う学習法
インプット学習に関する大まかな流れは、インプット学習法の記事ご覧ください。
ここでは、インプット学習の次のアウトプット学習STEPをメインに解説します。
【アウトプット学習STEP】
講 義 | IN/OUT | TO DO | ノート |
1.受講中 | INPUT | 内容理解に努める➡テキストに行間書込み | 作成しない |
2.受講後 | OUTPUT | 1~2回目のミス➡解答・解説に行間書込み | |
3.受講後 | OUTPUT | 3回目もミス | 作成する |
【TO DO=行うべきこと】
※これを繰り返し行って学習することが、簿記検定試験に合格するコツ!
具体的な『問題集 間違いノート』作成法
では、具体的にどのようにテキストに書き込みを行っていくかについて示します。
【講義中に次回につながる流れを作っておく】
下の写真のように、次回の講義でミニテストが準備されている場合は、アウトプットトレーニングのよい題材として自分で必要なSTEP(この例では3STEP)を意識しておいてください。
(TAC日商簿記検定3級テキスト/トレーニングに書き込みして抜粋)
※Ko=私の場合は「講師」が言ったことを省略して書いています。
【具体的な『問題集 間違いノート』作成法】
(TAC日商簿記検定3級テキスト/トレーニングに書き込みして抜粋)
この後は、問題集で該当箇所を解くことで記憶に定着します。
【チェック方法】□□□
間違えた問題は、3回解くことが基本です。その際のチェックの仕方を説明します。
<1回目>
・☑□□:1回目で合っていた場合➡解き直し不要➡終了
・☒□□:1回目で間違えた場合 ➡解き直し必要➡2回目へ
<2回目>
・☒☑□:2回目で合っていた場合➡解き直し不要➡終了
・☒☒□:2回目で間違えた場合 ➡解き直し必要➡3回目へ
<3回目>
・☒☒☑:3回目で合っていた場合➡解き直し不要➡終了
・☒☒☒:3回目で間違えた場合 ➡解き直し必要➡『問題集 間違いノート』に書く!!
参考:正答しても不安な場合に行うこと
上に掲載している写真のように2回目に解きなおした際、答えは合っていても本当に理解しているか否か不安な場合もあると思います。その際は、チェックボックス□の中に△を記入しておきましょう。
この場合は念のため問題解き直しを行い、完全に理解できているか否かを確認すべきです。
そして、3回目に合っていれば□の中に✓を記入して☑として、終了となります。
まとめ
以上に簿記講義受講後に「簿記講義受講後に日を置かずに問題集を解くこと」「間違えた問題は3回解き直すこと」「解き直し3回目で間違えた問題を『問題集 間違いノート』に書く際の基準」を述べてきました。
インプット学習は、スピードが命です。はじめての学習の際は、理解を助けるために補助的にテキストの行間・余白に記入をします。そして、忘れかけるタイミングで繰り返し学習をすることです。そのために、意識は「理解」➡「暗記」に向けます。
一方、アウトプット学習は、繰り返し確認することで確実に自分のものにすることが命です。そのためには、繰り返し学習することが大切です。ヒトの脳は苦しみたくないという防衛本能があるため、間違えた問題の解き直しに関して自分がつらくならないようにスルーしてしまう傾向があります。
そこで、問題集については間違えた問題は機械的に3回解き直すようにします。そして、機械的に3つのチェックボックス□□□に確認のマーク(✓・△・×)を記入していきます。これで自分の理解度の確認ができます。そして、☑については「もう見ない!」と割り切ることで心理的負担がへります。「あれもやらなければならない、これもやらなければならない」という不安要素を取り除けるのです。
そして、3つ目のチェックボックスが☒についてだけ『問題集 間違いノート』に書くことで、「自分の理解が不足している項目」「苦手な問題」を明確に把握できます。試験前日・当日にこのノートを短時間で見直すことで、同じ間違えはしないことになります。また、ノート作成段階でアウトプットトレーニングをしており、かつ自分の頭のフィルターを通しているため、効果的に点数に結びつけることができます。
以上のように、やり方を機械的にしておくこと(=仕事では、標準化といいます)で、あまり意識していなくても自然に記憶に定着しており、結果としてラクラク簿記検定試験に合格できます。これがアウトプットトレーニングの効用です。
注意点は、1回目・2回目も問題演習で間違えた場合は、まだノートに書かないことです。これは、インプット学習段階のノートを作成しない理由と同じです。まだ頭の中が整理できていないことが多いからです。
2回目に解き直した段階で正答にたどり着けた問題は本試験では正解できます。そのため、『問題集 間違いノート』に書く必要はありません。効率的行間書込法を推奨します。すなわち、間違えた問題を☒としておき、「なぜ間違えたか」「問題出題の意図は何か」「どうすれば間違えなくなるか」を解説を読みながら自分の頭のフィルターをとおして、解答・解説の行間・余白に自分の手で追記しておくことです。行間書込みをしておくことで、2回目・3回目に間違えた場合でも理解するための時間短縮がはかられ、非常に効率よく学習できます。
最終的には、間違えた問題を3回解いてアウトプットトレーニングをして記憶に定着させることで、合格に近づきます。このトレーニングによって、インプットした「知識」を「知恵」に変えることができます。つまり、応用が効くようになります。
このページで示した効率的な簿記アウトプット学習法を実践して、あなたが簿記検定試験にラクラク合格することを祈念しております。