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日商簿記検定3級試験の解説ー第144回過去問のポイントー

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日商簿記検定3級試験に合格するために必要なことは何かおわかりでしょうか?

日商簿記検定3級試験に合格するために必要なことは、TAC・クレアール・ユーキャンなどの通信講座を利用することです。そして、試験学習の締めに過去問を9回分(3年分)解いて分析することです。

その理由は、通信講座を利用することで試験範囲を網羅できるからです。さらに、過去問を分析することで、しない場合に比べて点数を5~15点程度アップできるからです。

過去問第144回の事例で解説をしていきます。第144回の合格率は45.10%と平均より少し高めで、易しい問題でした。ケアレス・ミスをしないことと第1問目の仕訳問題の『売掛金の前受金振替と貸倒損失処理』をできることがポイントです。

日商簿記検定3級試験は全部で5問出題され、その傾向はほぼ決まっています。学習の締めとして過去問を解くことで傾向を把握することができ、良問を解くことで基礎から応用へと簿記の実力アップを図ることができます。

そこで、このページでは日商簿記検定3級試験対策としての過去問分析の大切さを認識していただくために、第144回の本試験問題を解説していきます。

Contents

第144回のポイント

第1問~第5問の出題のポイントを解説していきます。

今回は、仕訳を正確に切ることができれば、あとは問題を解くことに慣れているか否かがキーになる良問揃いでした。

第144回でのポイント!

第1問~第5問を見て気づくことは、個別論点の積み上げとして総合問題となっていることです。

 

本問は少し易しめの問題なので、個別論点をいかに正確に理解しているかが合否の分岐点になります。

 

第144回の試験では、ケアレスミスをいかになくすかが最大のポイントでした。

第144回の問題解説

第1問から第5問まで順番に、重要性の高い事項について解説していきます。

第1問 仕訳問題    (20点)

第1問では、個別論点を理解しているかが問われます。毎回、5問ずつ出題されます。1問正解で4点です。できればすべての仕訳を正確に行って20点満点をとってください。

1.売上・売上返品:通常の掛売上と返品の理解及び仕訳を問う問題です。売上返品は、売上取引の逆仕訳を行います。

2.当座預金預入れ:普通預金から当座預金への預入れの仕訳をする問題です。「口座開設と同時に当座借越契約」という問題文に惑わされないことが得点をとるポイントです。

参考になりますが、『当座借越』は会社側から見た場合の言葉の使い方です。銀行側から見た場合は、『当座貸越』という使い方をします。実務についた際には、使い分けを意識してください。

3.消耗品の2パターン処理:『費用処理』と『資産処理』の2通りの処理方法があります。問題文中から費用処理をする方法と読み取ることがポイントです。

4.売掛金の回収と貸倒れ:「前受金の取り消し」と「売掛金の入金処理」がポイントです。売掛金が当期に貸し倒れた場合には、売掛金を減額して「貸倒損失」を増やす仕訳を行います。

5.買掛金の支払い:買掛金の手形払いを仕訳する問題です。当店が支払った郵送代金は、「通信費」勘定で処理します。

上記のうち「4.売掛金回収と貸倒れ」が少し難しい問題ですので、簡単に解説をしておきます。

【問題】

得意先が倒産し、売掛金¥800,000のうち¥200,000は、かねて注文を受けた際に受け取っていた手付金と相殺し、残額は貸倒れとして処理した。

【解答】(単位:円)

借方 貸方
前受金  200,000 売掛金  800,000
貸倒損失 600,000

【解説】(単位:円)

問題文の読み取りを正確に行うことがスタートです。「200,000円は以前に受け取っている」ことが読み取れますので、次のような仕訳をすでに行っていることがわかります。

借方 貸方
現金など 200,000 前受金  200,000

したがって、まずこの仕訳の修正を次のように行います。

借方 貸方
前受金  200,000 売掛金  200,000

次に、売掛金残額600,000円(=800,000円ー200,000円)を当期の貸倒として処理します。

借方 貸方
貸倒損失 600,000 売掛金  600,000

最後に、上2つの仕訳を合算した仕訳が正解となります。

「売掛金の回収」と「貸倒処理」を正確に仕訳できること!

問題文中に使用してよい勘定科目が記載されているので、指定された勘定科目を使うこと!

第2問 固定資産の勘定記入(8点)

本問では、固定資産の勘定記入が問われていました。ここでは、ポイントは3つです。

1.固定資産の購入仕訳を正確に記入できること

固定資産を学習する際に大切な3要素が問題文中に出ています。

①取得原価:固定資産を取得する際の価額です。付随費用も取得原価に算入します。

②耐用年数:固定資産が何年もつかの目安となる年数です。

③残存価額:耐用年数の最終日に残っている帳簿価額はいくらかをあらわします。

・残存価額=ゼロの場合

減価償却費/年=取得価額÷耐用年数

・残存価額=取得価額の10%の場合

減価償却費/年=取得価額×(1-0.1)÷耐用年数

(前提)減価償却方法は定額法を採用

減価償却方法も固定資産のセクションを学習する際にはおさえなければならない項目です。

固定資産は、購入時にすべて費用計上するのではなく、耐用年数にわたって毎月費用化していきます。固定資産の費用化のことを「減価償却」といいます。「減価償却」とは、読んで字のごとく「ものの価値が減っていく毎に償却をしていく」ことを言います。

固定資産の減価償却方法としては、定額法(=毎月同じ金額が費用化される計算方法)と定率法(取得した月に最も多く費用化し、徐々に費用化の金額が低下していく計算方法)をおさえておいてください。

「残存価額のパターン」と「月割計算」に注意!

2.減価償却費の計上を正確にできること

減価償却費の計算方法と仕訳処理を正確におさえてください。この2つが正確に行えれば、減価償却費の計上を正確にできます。

3.固定資産の勘定記入を正確にできること

今回の問題では、固定資産の種類=「備品」でした。期首から所有している備品があります。その他に期中に別の備品を購入し、購入した月から減価償却費を計上するという設問です。

①備品勘定の記入・締め切り

・期首から所有していた備品=「前月繰越」とする

・期中に購入した備品をT字勘定(総勘定元帳)に転記する(相手勘定「当座預金」を記入)

・期末残高=「次期繰越」とする

②備品減価償却累計額勘定の記入・締め切り

・期首の減価償却累計額=「前月繰越」とする

・期中に購入した備品の当期償却費をT字勘定(総勘定元帳)に転記する(相手勘定「減価償却費」を記入)

・期末残高=「次期繰越」とする(=過年度からの備品減価償却累計額)

以上に注意して、日付・名称・金額をT字勘定に記入して締め切ることで、容易に解答できます。

その他には、減価償却費勘定を締め切る出題が考えられますが、上記①・②の勘定記入と仕訳ができれば同様に行うだけです。

本問で固定資産の意味と処理方法をおさえましょう!

第3問 合計試算表   (30点)

本問は「仕訳を正確に切ることができること」「合計試算表に反映させることができること」で、満点がとれる問題です。易しい問題であるので、いかに正確に早く仕訳ができるか、ミスなく月次の期中取引欄の勘定科目毎に転記ができるかがポイントです。余裕があれば、本過去問を解く際に配点がどの科目にあるかを考えるとよいでしょう。

【期中取引】間違える危険性のある取引のみ確認しておきます。

1.出張旅費の仮払いと精算

【問題】

13日 従業員の出張旅費の概算額として¥30,000を現金で支払った。

17日 出張していた従業員が帰店し出張旅費を精算したところ、概算額よりも¥40,000多くかかっていることが判明したため、この不足額を現金で支払った。

【仕訳】(単位:円)

13日:出張旅費の概算払い

借方 貸方
仮払金   30,000 現金    30,000

17日:出張旅費仮払金の精算

借方 貸方
旅費交通費 34,000 仮払金   30,000
現金     4,000

2.公共料金などの引き落としと資本の引き出し

【問題】

28日 電話代¥16,000及び水道光熱費¥48,000が普通預金口座から引き落とされた。なお、各金額の50%は店主家計にかかるものである。

【仕訳】(単位:円)
28日:公共料金などの引き落としと資本の引き出し

借方 貸方
通信費    8,000 普通預金  64,000
水道光熱費 24,000
資本金   32,000

会社負担50%・店主負担50%なので、合計金額64,000円(=16,000円+48,000円)を貸方支払金額にまず仕訳をします。

次に、電話費・水道光熱費をそれぞれ半額ずつ経費勘定で仕訳をします。

最後に、差額を「資本金」勘定から引き出したものとして借方に仕訳をします。注意点としては、「引出金」勘定は問題文中・合計試算表から読み取ることができないので「資本金」勘定を使用します。

念のため、店主負担と会社負担との金額が同額になっていることを検算しておきましょう。

〇店主負担=32,000円(資本金)

〇会社負担=32,000円=8,000円(電話費)+24,000円(水道光熱費)

残高試算表ではなく、合計試算表であることに注意!

第4問 伝票式会計の問題(12点)

3伝票制と総勘定元帳への転記までの流れに対する理解度を問う問題です。得意先別元帳記入ができるか否かも合わせて問われている問題です。

1.個別論点:3伝票制の理解

①入金伝票:現金入金をした時記入する伝票

(現金=借方)

②出金伝票:現金手金をした時記入する伝票

(現金=貸方)

③振替伝票:①と②以外の取引時に記入する伝票

※売掛金の仕訳をする時に、『売掛金(札幌)』と勘定科目の後に人名を記入しておいてください。同様に、買掛金の仕訳をする時に、『買掛金(埼玉)』と記入しておいてください。

2.伝票~元帳までの流れ

ⅰ)仕訳日計表の作成

ⅱ)仕訳日計表に集計する

ⅲ)仕訳日計表から総勘定元帳へ合計転記

仕訳日計表=1日分の取引の伝票を集計した合計試算表です!

3.人名別売掛金(元帳)

上記1.の※を行っていると、ここで活きてきます。いかに解答しやすいかを工夫しておくことで、解答時間の短縮ができます。

第5問 財務諸表作成問題(30点)

決算整理前残高試算表に、決算整理仕訳を加えて財務諸表(=損益計算書・貸借対照表)を作成する問題でした。

修正仕訳と決算整理仕訳とを正確に切ることができれば、満点をとれます。通常の精算表作成問題と同じと考えてよいでしょう。

本問のポイントは、未処理事項と訂正仕訳を正確にできることです。その他にケアレスミスをしないように、未処理事項で仕訳をきれいに書いておき、貸倒引当金見積額を設定する際に未処理事項で仕訳をした次の仕訳の「売掛金」を引き忘れないことです。

(単位:円、以下同じ)

借方 貸方
仮受金 67,000 売掛金 67,000

以下に、個別論点で少し煩雑な『現金過不足』と『土地の訂正仕訳』とを解説します。

1.修正仕訳:現金過不足

借方 貸方
通信費 3,600 現金  4,000
雑損    400

2.訂正仕訳:土地関連の訂正

以下の順序で論理的に考えて、④を意識して答えるようにしてください。

①誤って行った仕訳

借方 貸方
土地  360,000 買掛金 360,000

②誤った仕訳の逆仕訳

借方 貸方
買掛金 360,000 土地  360,000

③正しい仕訳

借方 貸方
土地  360,000 未払金 360,000

④解答する際に意識する仕訳

借方 貸方
買掛金 360,000 未払金 360,000

※土地(固定資産)は購入した際には「未払金」勘定をたてます。「買掛金」勘定は商品(棚卸資産)購入の際にたてる勘定科目です。いずれも現金支払いが後になるケースです。

Coffee Break 

実務上は固定資産であっても、購入時はほぼ「買掛金」勘定で仕訳します。これは、購入=入口でのシステムの対応が難しいからです。そして、期末の決算整理仕訳の段階で「買掛金」勘定から「未払金」勘定へ振り替えします。

(決算整理仕訳) ×××:金額

借方 貸方
買掛金××× 未払金×××

 

3.その他の表示上の注意点

①貸借対照表の表示上の注意

・繰越商品勘定残高=「商品」と表示

・経過勘定科目=「前払費用」「未収有益」「未払費用」「前受収益」と表示

②損益計算書

・仕入勘定残高=「売上原価」と表示

まとめ

以上、第144回日商簿記検定3級試験問題の解説をしてきました。第144回は全体的に平易な問題が基本出題されていました。何度も解き、不明な点はなくしておくとあなたが受験する際に非常に役に立ちます。

過去問に関して、「直近の問題は出題されないから見る必要はない」と考える方がたまにいますが、決してそうではありません。テキスト⇒問題集⇒模擬試験⇒過去問とステップを踏んで学習を進めてていれば、過去問を解いて分析することの大切さは十分おわかりだと思います。

過去問で合格率が40%前後の回は良問が多いといえます。したがって、あなたが受験する回と近い回のものであっても、出題の意図を把握して苦手な分野の確認をして、意味をよく理解してください。そうすることで、受験前の総復習として過去問は最適な教材となります。

冒頭で過去問を3年分(合計9回分)解くべきと書きましたが、テキスト⇒問題集⇒模擬試験とステップを踏んできた結果、どうしても時間が足りない方には1年分(合計3回分)だけでも時間を計って解くことをおススメします。このプロセスを入れることで試験の傾向をご自身で把握でき、本試験で見たことのない問題が出題された時にも慌てないで済むからです。

テキスト⇒問題集⇒模擬試験とステップを踏んできたあなたが見たこともない問題は、他の受験生も同様です。120分という時間配分をうまく使って、その問題は最後に回せばよいのです。7割以上得点をして合格することが目的なのです。

TAC・クレアール・ユーキャンなどで通信講座を受講して基礎を徹底的に固め、最終の締めで過去問を解いて分析することが、日商簿記3級試験に合格する効率的なやり方です。

この記事を読まれたあなたが日商簿記3級試験受験を決意し、合格を勝ち取られることを私(管理人)は切望しております。

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