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日商簿記検定3級試験の解説ー第143回過去問のポイントー

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あなたは、日商簿記検定3級試験に合格するために必要なことは何かおわかりでしょうか?

日商簿記検定3級試験に合格するために必要なことは、TAC・クレアール・ユーキャンなどの通信講座を利用することです。そして、試験学習の締めに過去問を9回分(3年分)解いて分析することです。

その理由は、通信講座を利用することで試験範囲を網羅できるからです。さらに、過去問を分析することで、しない場合に比べて5~15点程度得点をアップできる可能性があるからです。今回は、過去問対策をしておくことで15点程度点数アップをすることができた問題といえます。

たとえば、過去問第143回の事例で解説をしていきます。第143回の合格率は34.20%と平均より低めであり、難易度としては難しいといえます。第3問は、帳簿の体系を理解していない受験生には非常に厳しい問題でした。帳簿(主要簿・補助簿)の理解に自信がない場合は、使用しているテキストで再度確認をした後、第3問を完全に理解すれば帳簿問題を得意にすることができます。

日商簿記検定3級試験は、全部で5問出題されます。その傾向はほぼ決まっています。学習の締めとして過去問を解くことでご自身で傾向を把握することができ、良問を解くことで基礎から応用へとあなたの簿記の実力アップを図ることができます。

そこで、このページでは日商簿記検定3級試験対策としての過去問分析の大切さを認識していただくために、第143回の本試験問題を解説していきます。

Contents

第143回のポイント

日商簿記検定3級試験に出題される問題は全5問、出題傾向はほぼ毎回同じです。したがって、出題のポイントをおさえておくことで、そうでない場合と比較して5~10点差をつけることができます。以下、第1問~第5問の出題のポイントを解説していきます。

今回は、基本問題が中心の良問揃いの出題でした。通信教育で計画的かつ網羅的に試験範囲を押さえた後、本サイトで推奨している過去問分析を行っていれば、合格点は十分とれるレベルの出題だったといえます。

第143回でのポイント!

①問題文にざっと目を通し、解く順序を判断すること
②点数を取る問題のケアレスミスをしないこと
③いわゆる捨て問題は最後に解き、部分点でも構わないので5割の点数をとること

 

これができないと、今回のように総合問題が捨て問題になる場合は、15点ほど落とすことになってしまいます!

第143回の問題解説

第1問から第5問まで順番に、重要性の高い事項について解説していきます。

第1問 仕訳問題(20点)

第1問では、個別論点を理解しているかが問われます。毎回、5問ずつ出題されると考えておいてください。1問正解で4点ですが、できればすべての仕訳を正確に行って20点満点をとってください。

下記仕訳4・5は頻出問題ですので、この回の仕訳は完全におさえておきましょう。

  1. 有価証券の購入:仕訳自体は問題ないと思います。取得原価の計算に付随費用を含める点に注意をしておけばいいでしょう。
  2. 仕入の取引:商品仕入れの手付金は「前払金」勘定を使います。当店負担の引取運賃は、仕入原価に算入します。
  3. 売掛金の回収:売掛金を回収する場合の当店負担の手数料は「支払手数料」勘定を使います。また、当店負担なので「売掛金勘定ー支払手数料=入金額」となります。
  4. 固定資産の購入:土地購入のための付随費用が取得価額に算入されることを再確認しておいてください。参考になりますが、土地は減価償却や消費税は無関係です。
  5. 従業員の所得税納付:会社が従業員の給料からいったん預かって税務署に納税するため、「所得税預り金」勘定で処理します。

仕入・有価証券・固定資産の購入付随費用は、取得原価に算入!

問題文中に使用してよい勘定科目が記載されているので、指定された勘定科目を使うこと!(本問:「預り金」ではなく「所得税預り金」を使用する)

第2問 補助簿の選択問題(10点)

本問では、各取引からどの補助簿に記入されるかを理解しているか否かが問われていました。

仕訳から補助簿への思考過程が大切な問題です。

仕訳と補助簿とを連動して考えること

ここでは、仕訳と補助簿との連動がポイントであるため、以下の仕訳の金額は割愛します。

1.商品仕入れ

補助簿 借方 貸方 補助簿
仕入帳 仕入 当座預金 当座預金出納帳
商品有高帳 (同上) 支払手形 支払手形記入帳

 

2.商品売上げ

補助簿 借方 貸方 補助簿
受取手形記入帳 受取手形 売上 売上帳
売掛金元帳 売掛金 (同上) 商品有高帳
補助簿 借方 貸方 補助簿
ー 発送費 現金 現金出納帳

3.支払手形決済

補助簿 借方 貸方 補助簿

支払手形

記入帳

支払手形 当座預金

当座預金

出納帳

4.買掛金支払い

補助簿 借方 貸方 補助簿
買掛金元帳 買掛金 当座預金 当座預金出納帳

5.手形割引

補助簿 借方 貸方 補助簿

当座預金

出納帳

当座預金 受取手形

受取手形

記入帳

ー 手形売却損    

 

「セットでつかんでおく補助簿」と「勘定科目と補助簿のひもづけ」を意識し学習すること!

第3問 残高試算表作成と得意先元帳への記入(30点)

本問題は、重複した取引・推定・難解な問題文と3つの難解な組み合わせがあり、非常に難しい問題でした。15点とれれば十分といえます。こういった難解な問題もまれに出題されることを意識しておくとよいでしょう。

本問は本試験の際には最後に回し、点数を取れるところだけ取ると割り切りましょう。いわゆる捨て問題と考えればいいでしょう。問題文にざっと目を通し、点数が取りにくいと判断できる力を養っておけば十分です。

本問の順序は、次のようになります。

ⅰ)残高試算表の4/1の欄を推定する

ⅱ)残高試算表を作成する

ⅲ)得意先元帳を推定する

このように「推定」をする項目が多くなると、簿記の全体像が把握できるしっかりとした実力がないと非常に難しくなってしまいます。私(管理人)としては、『たまにはこういった複雑で難解な問題もでるのだ』という認識をしていただければ十分だと思います。したがって、本問は余裕があって仕方がないという受験生以外には真剣に解く必要はないと考えます。

この問題はざっと目を通すだけにして、過去問の基本問題をしっかりおさえましょう。

第4問 伝票記入問題(8点)

本問は、第142回第4問の類似問題です。前回本試験の対策をしていれば、満点が取れます。

今回は、3伝票制(入金伝票・出金伝票・振替伝票)での起票方法をパターン毎に理解しているか否かがポイントです。

(1)いったん全額を掛取引として起票するパターン

【問題】(以下、単位:円)

商品を¥140,000で仕入れ、代金のうち¥40,000については現金で支払い、残額は掛とした。

※商品売買の記帳は、3分法。

出金伝票
科目 金額
(     ) (     )
振替伝票
借方科目 金額 貸方科目 金額
(   ) 140,000 (   ) 140,000

【問題の分解】

①商品購入:140,000円の商品を購入

②支払方法:40,000円現金支払い、100,000円掛払い

このように①商品購入という取引と②支払方法とに分割して考えることができます。取引をメインに考える方法がパターン1.で、支払方法をメインに考える方法がパターン2.になります。このように思考の方法が簿記を学習する上では非常に大切になります。

【仕訳】(以下、単位:円)

<通常の複合仕訳>

借方 貸方
仕入  140,000 現金   40,000
買掛金 100,000

<パターン1>

いったん全額を掛取引として起票する

借方 貸方
仕入  140,000 買掛金 140,000
買掛金  40,000 現金   40,000

<パターン2>

取引を分解して起票

借方 貸方
仕入  100,000 買掛金 100,000
仕入   40,000 現金   40,000

【解説】思考の過程の説明

ここまで、手を使って2パターンの仕訳を書き出した後、問題文に戻ってください。振替伝票の借方科目と貸方科目がブランクになっています。金額はそれぞれ¥140,000が記入されています。

振替伝票は現金が関係しない仕訳です。仕入取引は一本で仕訳をしても、分割して仕訳をしても¥140,000となります。理由は、分割して仕訳をしたとしても結局は合算した¥140,000しか出てこないからです。

したがって、支払方法に着目してください。貸方科目がブランクで¥140,000となっているということは、上記のパターン1で仕訳をしていることが分かります。ここまでたどり着けば、解答は簡単にできます。

【解答】(以下、単位:円)

①振替伝票

振替伝票
借方科目 金額 貸方科目 金額
仕入 140,000 買掛金 140,000

②出金伝票

出金伝票
科目 金額
買掛金 40,000

(2)取引を分解して起票するパターン

【問題】(以下、単位:円)
商品を¥330,000で売り渡し、代金のうち¥30,000については得意先振出しの小切手で受け取り、残額は掛とした。※商品売買の記帳は、3分法。

入金伝票
科目 金額
売上 (       )
振替伝票
借方科目 金額 貸方科目 金額
売掛金 (  ) (  ) (  )

【問題の分解】
①商品購入:330,000円の商品を購入
②支払方法:30,000円現金支払い、300,000円掛売り

【解答】(以下、単位:円)
①振替伝票

振替伝票
貸方科目 金額 貸方科目 金額
売掛金 300,000 売上 300,000

②入金伝票

入金伝票
科目 金額
売上 30,000

この問題も(1)と同様に、「通常の複合仕訳」⇒「パターン1:いったん全額を掛取引として起票する仕訳」⇒「パターン2:取引を分解して起票する仕訳」の順序でご自身でいったんすべての仕訳を丁寧に書き出してください。

そのうえで、それぞれの仕訳の取引と支払とに意識を集中して、問題文にある伝票の勘定科目と金額とを確認してください。この手順を踏めば、パターン1なのかパターン2なのかに気付くことができます。この思考の過程のトレーニングを積むことで簿記は得意になります。私自身が実践してできるようになったので、是非お試しください。簿記検定試験合格に近づきます。

以上2パターンを仕訳をすべて書き出して説明しましたが、慣れてくればいちいち書かなくてもピンとくるようになります。しかし、「自分の頭で整理がつかない」段階ではここで示しましたようにすべて仕訳を書き出して、あてはめて正解までたどり着くようにトレーニングしてください。

第5問 精算表作成問題(32点)

ごく一般的な精算表作成問題です。未処理事項・決算整理事項の仕訳を行い、精算表を作成する問題です。素直な問題なので、個別論点をしっかり理解していれば満点を狙える問題です。

決算日に判明した事項3点と決算整理事項の売上原価の計算・消耗品の整理をしっかり復習しておくことがポイントです。

この問題でのポイントは2点です。

1.現金盗難の処理

【問題文3】現金過不足

現金過不足は現金盗難により生じたものである。また、当店では盗難保険をかけており、仮受金は盗難に対する保険金として受け取ったものである。そこで、現金過不足と仮受金を相殺し、差額を雑益または雑損として処理する。

【仕訳】(以下、単位:円)

①仕訳済み事項の確認:解答用紙にはすでに、次の仕訳は反映されています。

借方 貸方
現金 等  30,000 仮受金   30,000

②振替修正仕訳:現金過不足が生じた本問題文中から次の振替仕訳を入れることになります。

借方 貸方
仮受金   30,000 現金過不足 35,000
雑損     5,000

【解説】

上記で示しました①の保険金受取時の仕訳はすでに行っています。この情報を読み取ったうえで、②の修正仕訳を行い、②の仕訳のみを解答用紙に反映させることが最大のポイントです。

2.売掛金回収の処理漏れ

【問題文2】未処理事項

売掛金のうち、¥40,000は、すでに当店の預金口座に振り込まれていたことが判明した。

【仕訳】(単位:円)

借方 貸方
普通預金  40,000 売掛金   40,000

【解説】

一見何の変哲もない仕訳です。しかし、この後の【問題文6】で貸倒引当金設定の問題があり、貸倒引当金見積額設定の算式の中に、本問題文で未処理となっていた貸方の「売掛金」40,000円を差し引かなければ、「貸倒引当金繰入額」と「貸倒引当金」の金額を間違えてしまいます。

まとめ

以上、第143回日商簿記検定3級試験問題の解説をしてきました。第143回は設問毎の偏りがあり、第3問は非常に難しい問題でした。したがって、第3問が配点が高いという理由で最初に解くと決めている場合には、この部分でこだわると深みにはまってしまい、点数を大幅に落とす結果となってしまいます。

したがって、解く順序を決めておくことはよいことなのですが、試験開始の合図があったらまず全問にざっと目を通してください。次に、平均レベルの問題が出題されている場合には、決めた順序で解くようにしましょう。仮に今回の第3問のように極端に難しい問題が出題されていることがわかった場合には、最後に解くようにしてください。そして最後に、第3問のような捨て問題は50%点数をとればよいと割り切り、他の問題をケアレスミスしないように見直しをしましょう。

過去問に関して、「直近の問題は出題されないから見る必要はない」と考える方がたまにいますが、決してそうではありません。テキスト⇒問題集⇒模擬試験⇒過去問とステップを踏んで学習を進めてきたあなたは、過去問を解き分析することの大切さは十分おわかりだと思います。

過去問で合格率が40%前後の回は良問が多いといえます。したがって、あなたが受験する回と近い回のものであっても、出題の意図を把握して苦手な分野の確認をし、意味をよく理解してください。そうすることで、受験前の総復習として過去問は最適な教材となります。

冒頭で過去問を3年分(合計9回分)解くべきと書きましたが、テキスト⇒問題集⇒模擬試験とステップを踏んできた結果、どうしても時間が足りない方には1年分(合計3回分)だけでも時間を計って解くことをおススメします。このプロセスを入れることで試験の傾向をご自身で把握でき、本試験で見たことのない問題が出題されたときにも慌てないで済むからです。

テキスト⇒問題集⇒模擬試験とステップを踏んできたあなたが見たこともない問題は、他の受験生も同様です。120分という時間配分をうまく使って、その問題は最後に回せばよいのです。7割以上得点をして合格することが目的なのです。

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