最近のメディアを見ていて「グローバル化」が急激に進展していると感じませんか?
日本国内の市場だけでビジネスを行っていくには限界にきています。なぜなら、1960年代から急激に進展してきた高度成長期は成熟期にあるからです。さらに言うと、国内の市場は飽和状態にあり、業種によっては衰退期といっても過言ではないからです。
たとえば、印刷業界が印刷業のみで成り立たなくなっていることからも明らかでしょう。デジタル化に軸足を移すのみでなく、まったく別の業種にも参入して収益の柱の1つにしているのが現状です。
好き嫌いではなく、グローバルにビジネスを展開せずに国内にしがみつくと、これからの社会では衰退の一途をたどることになります。
そこで、このページではグローバル化に対応するために必要なことを示していきます。対応策の1つとして「簿記」の知識を習得する必要性を説明していきます。
Contents
グローバル化とは?
グローバル化の意味
グローバル化とは、日本国内での考え方・やり方にこだわらず世界各国の良さを尊重して良いところを取り入れ、調和していくことです。
真のグローバル化とは?
では、世界各国の良いところを取り入れて調和していくにはどのようにすればいいのでしょうか?
ただ海外に進出するのみでできるのでしょうか?
それは、「NO」です。
真のグローバル化を達成するためには、「異なる考え方を出し合い」「議論して」「互いに意思を尊重して」「考えを融合する」ことが必要不可欠です。
- 自分たちに合わない考え方を排除してはいけません。
- 海外の優れた価値観を受け入れることが必要です。
- 実務に落とし込んでいくことが重要です。
世界に取り残されないために必要なこと
内に籠らず外に積極的に出ていくことが必要です。
そして、多様な考え方や文化に触れあうことです。
日本では「恥の文化」を美徳とする時代がかつてありました。しかし、ビジネススピードの速い現代では通用しなくなっています。むしろ、物怖じせずに実際に経験をしてみてはじめてわかることが極めて多いのです。「経験」がものをいうのです。
グローバル化に必要なツール:簿記&会計・英語・IT
真のグローバル化を進めていくために必要なものは、世界共通の言語を使いこなせる力つまりコミュニケーションをする能力です。それは、次の3つです。
1.会計
会計は世界標準として国際会計基準があり、各国の会計基準が徐々に統一される方向にあります。これは「IFRS」という会計基準です。
IFRS
International Financial Reporting Standardsの略称。日本では一般的に「イファース」と呼ばれています。
2015年に日本も強制適用される方向で動いていました。しかし、当時政府が公約していた消費税増税も延期せざるをえない経済状況でした。思ったほど景気が浮揚しない状況の中、IFRS強制適用は延期の状態になっています。
簡単にいうと、上場会社が行わなければならない財務報告を国際標準の様式で開示することを目論んだ制度です。
会計基準が統一されると、世界のどこでも通用する(=認められる)会計が行われるようになります。会計を陰で支えるツールこそが「簿記」なのです。
共通のルールがあれば、自国以外の異なる国でも同様の処理ができます。その結果、IFRS基準で作成された財務諸表は、どこの国のものであっても比較可能になります。さらに、「会計用語を使ったやりとり(=コミュニケーション)」ができるようになるため、「公平・公正性」が保証されます。
以上のようなルールを国際的に統一することで、グローバル化は一層進展していくことになります。
2.英語
現在、世界での共通言語は「英語」です。
欧米諸国はもちろん、オセアニアやASEANでも英語は通用します。また、日本と隣国の韓国や中国でも英語を話せるビジネスマンは増加傾向にあります。それは、米国への留学生が多いことからも明らかでしょう。
今国際的に活躍をするためには、「英語」は必要なのです。
3.ITリテラシー
アマゾン、グーグル、フェイスブックなど勢いのある企業は、ITをコアにしたイノベーションを起こして価値を社会に提供することで発展してきました。今後成長する企業に「IT」が必要不可欠ということは、どなたも異存はないでしょう。
歴史・民族・文化が異なる各国と交流を行うためには、共通の言語が必要です。それが「会計」「英語」「ITリテラシー」なのです。
これは、信条の異なる民族が互いに歩みよりながら相互理解するために欠かすことのできない「三種の神器」です。これらは、すべてコミュニケーションツールといえるでしょう。
グローバル化を進める前段階から準備をしておくとスムーズにいきます。
簿記&会計知識を身につけて成長する
上に述べたように、会計は共通の言語ともいうべきものです。
共通の言語を使って意思疏通して、考え方をすりあわせていくためのベースとして「簿記」は必須のツールです。これがないと、経営を勘で行うという危うさが残ってしまうため危険です。
2010年を過ぎたあたりから、M&A(=企業の吸収合併)が盛んに行われています。急速に成長をしようとすれば、M&Aは避けて通ることのできない経営手法の1つです。
M&Aを行った後、真の意味で統合していくために一番はじめに必要なものが「会計」の統一です。
同一のグループ内で「目指すことが異なっている」「判断の仕方がまったく違う」「統制が効かない」とどうなるでしょうか?最悪の場合、企業価値を落とすことになります。
専門的な会計用語でいうと『減損』といいます。『減損』をすると多額の損失を計上しなければならないことになります。その結果、経営の根幹を揺るがす事態が発生しかねないのです。
(具体例)東芝のケース
米国のウェスティングハウスを子会社化した東芝が経営危機に陥った2016~2017年の状況が当てはまる例です。
お金があれば、M&Aをして別会社の業績をプラスすることはできます。
しかし、子会社しても「実態が伴わない」「マジョリティを握った子会社が予定した成長ができない」と子会社ののれんを一気に損失計上しなければならないのです。
その結果、経営危機を招きかねないのです。
M&Aは、統合後が最も大切なのです。
そのため、企業経営の舵取りをしっかりと行うためには、会計の知識は必要不可欠なのです。会計は、いわば船で航海するときの『羅針盤』ともいうべきものです。現業部門、経理部門のみならず、経営者自ら会計の数値感覚を持つことが「会社の成長」「リスク回避」のために絶対必要です。
社会で活躍するためにすべきこと
グローバル化に対応するためにまず必要なことは、「会計関係の知識」をつけることです。これは絶対に必要な大前提です。
次に必要なことは、「英語」をからめた会計関係の資格をとることです。
最後に、会計に「IT」をからめて自動化・データ活用をすることです。
要するに、「会計」に「2つのツール」を関係させて複合的能力を身につけることが今後のグローバル化を成功させる秘訣です。
1.簿記・USCPA・IFRS検定
「簿記=Book Keeping」は、15世紀に発明された経営管理に必要不可欠なツールです。
現在、海外でも重宝がられる資格としては、USCPA・IFRS検定などがあります。
2.TOEIC
TOEICは、ヒアリングとリーディングを試す試験です。会話の際に必要なスピーキングはありませんが、英語力を計るために最も重視される試験です。
グローバル化が進んでいる企業では、就職や転職の面接時にはTOEICのスコアを問われることがほとんどです。グローバル企業で活躍することを目指している場合は、TOEICは少なくとも730点以上取得しておくべきです。
3.ITパスポート
業務効率化やグローバル事業展開には、IT知識やプログラミングなども必要不可欠です。
手始めに、ITパスポートをとってみるとよいでしょう。その他、情報処理技術者資格やオラクルマスターなども有用です。
(参考)
シリコンバレーでは、IT技術者は高給取りです。
自分の実力次第では億単位の報酬も夢ではありません。
まとめ
以上、グローバル化には、「会計」「英語」「IT」の3つが必要ということを述べてきました。
コミュニケーションをしていくためには言語(=英語)が必要ですが、その前段階で基礎力があることが大前提です。このベースを作るツールこそが「簿記」です。前提の知識がなければ、言葉だけわかっても何の意味もなしません。
「基礎力ともいえる簿記」をマスターし、その後英語・ITを身につけて世界の中の日本を意識して、グローバルに活躍されることを是非ともおすすめします。
是非、簿記力をつけて世界で活躍する人材になっていただきたいと思います。