簿記検定3級の資格に興味を持ち、取得したいと思いはじめたにもかかわらず、どのように勉強をすればよいのかよくわからないと悩まれる方は多いと思います。
簿記検定3級の資格を取得するための最も効率的な勉強方法は、簿記専門学校の3級通信講座を受講することです。なぜなら、多くの専門学校は、長年培ってきた受験ノウハウを持っており、プロの講師が多数いるからです。その結果、信頼のおける「ノウハウがつまった勉強法」「無駄がなくわかりやすいテキスト・問題集」を使って学習できるため、最短の合格の道を選択することになります。
実は、私も大学の講義を受講するだけでは、どのように勉強すれば効率的に簿記3級を学ぶことができるのか、よくわかりませんでした。商学部であったにもかかわらず、大学の講義だけではよくわかりませんでした。しかし、簿記の専門学校のテキストや問題集を利用することで、簿記検定3級に合格することができました。
そこでこのページでは、これから簿記検定3級を受験しようと思っている方に、簿記検定資格取得の効果的な方法を紹介します。
Contents
簿記検定3級資格を取得する手段
簿記検定資格を取得するための手段には、「独学で簿記を学習する」「簿記専門学校の通信講座を利用する」「簿記専門学校に通学する」の3つがあります。そのため、まずはそれぞれの手段について詳しく確認していきます。
独学で簿記を学習する
独学で簿記を学習するとは、文字通り独りで簿記を勉強することです。はじめて簿記を学ぶ際に、市販のテキストを購入して知識を身に着けることは、よほど意志の強い方でない限りおすすめはできません。マンガが豊富に掲載してあり、ストーリーを重視した読み物であれば、入門編として一読することはよいと思います。
思い起こしていただきたいのですが、小学校で算数を習う際には足し算や引き算といった単元ごとに先生に教わっていたと思います。小学校入学前に算数をご自分で学習していた方は、数字に興味を持っており、親が買ってきてくれたワークブックを楽しく解き、周りの人たちに褒められたり、間違えて悔しかったりという刺激があったという記憶があると思います。
大人になってから独学で簿記を勉強することは、購入したテキストを自分1人で読んで理解し、別途入手した問題集を自分1人で解くということを繰り返し、理解を深めていくことになります。独学の場合、誰ともコミュニケーションをとらないことになります。いい点数をとったとしても、悪い点数であったとしても、自分1人でその事実を受け止めることになります。これが、独学で簿記を学ぶということです。
「独学のメリット」は、自分のペースを保つことができることです。一方、「独学のデメリット」は、わからない単元がわからないまま放置されてしまうことと、独りよがりの勉強で満足して時間がかかるわりに効果が得られないことです。
独学で学びたい方の場合には、わかりやすく効率的に学べるという意味で、専門学校の作成した独学用のテキストを使用することをおすすめします。本人の性格にもよりますが、独学はとても意志の強い方が対象となります。
独学をする際にもうひとつおすすめしたい方法としては、公開模試を受験することです。模試を受験して経験を積むと、試験慣れすることになり、また当日の本試験での時間配分ができるようになります。さらに、できなかった箇所を把握することができるため、自分の弱点を把握することができるようになります。
独学を成功させるポイントは、受験勉強中に悪循環に陥らないように自分でスケジュールを管理し、モチベーションを維持していくことです。
簿記専門学校の通信講座を利用する
日中働いていらっしゃる方や地方に住んでいる方は、専門学校に通学したくても通学できない場合があると思います。時間・場所等の制約があり、専門学校に通学できない方には、「ノウハウを持った簿記専門学校の通信講座を利用すること」をおすすめします。
通信講座を利用して簿記を学ぶということは、専門学校で作成したテキスト・問題集や過去問等を使用して、専門学校のカリキュラムにしたがって、簿記検定試験に合格するための講座を受講することになります。
そして、「簿記専門学校の通信講座を利用すること」には、独学で簿記を勉強する場合と異なる3つのポイントがあります。
ポイント1:理解が十分でない単元を繰り返し学習できる
独学と異なるポイントは、専門学校の作成したテキストを使用して、CD、DVDやWEBなどで講師からの説明を受講することになります。メディアを通した講義受講となるため、理解が十分でない単元は何度でも繰り返して学習することができます。
ポイント2:テストの添削をしてもらえる
独学と異なる2つ目のポイントは、「テストの添削をしてもらえること」です。テスト添削により、自分の理解があいまいな部分や間違えて記憶してしまっている部分を講師に修正してもらえることになります。自分では素通りしてしまう点に気付かせてくれることは大きなメリットです。したがって、講師の添削を大いに活用することを特におすすめします。添削指導を受けることで、通学生との差を埋められることになるからです。
ポイント3:不明な点を講師に質問できる
独学と異なる3つ目のポイントは、不明な点を講師に質問することができることです。講義受講中に意味がよくわからない項目を見つけようとする姿勢が、理解を深めることになるため、講師への質問は是非ともするようにしましょう。
ただ、専門学校への通学に比べて不足していることは、「講義・テストの直後に講師に質問できないこと」と「周りの受験生とのコミュニケーションがないためモチベーションが保ちにくいこと」との2点が挙げられます。
また、通信講座を利用する場合の最大のポイントは、通信添削を含めたアフターフォローのよい専門学校を選択することです。その理由は、不明点を講師に質問することができて回答をもらえることが、独学よりも通信講座の優れている点だからです。アフターフォローに関しては、郵送・FAX・メール・24時間WEB対応等があり、専門学校によってサポート体制が異なります。私としては、24時間体制で対応可能な専門学校の選択をおすすめします。疑問点をその時、その場で解消することこそが、合格の秘訣だからです。
簿記専門学校に通学する
簿記の専門学校には、長年の経験で培ったノウハウが蓄積されており、さらに受験界のベテラン講師がいるため、テキスト・問題集・教育方法等に絶対的な信頼が置けます。また、簿記学習の中だるみやスランプに陥った際にも講師や受験仲間からの励ましがあり、モチベーション維持に最適な環境が揃っています。
簿記検定3級を受験することは、仕事をする上での基礎になります。さらに、高度な専門的知識をつけてキャリアアップをしたいと考えている場合には、簿記検定2級にもチャレンジすることを是非おおすすめします。
しかし、簿記検定3級と2級との間にはレベルに開きがあります。そのため、3級を独学で学習した後に2級を専門学校で学習するのであれば、はじめから専門学校に通学することをおすすめします。
その理由としては、専門学校では2級を学習する前段階の3級のカリキュラムの中に、2級勉強時にスムーズに移行でいるように工夫がされているからです。さらに、3級と2級がセットになっている割安の講座もあるからです。
また、3級を取ってから2級の取得へと進む場合、できれば同じ専門学校・同じ講師に学ぶことが理想です。なぜなら、あなたの特徴や弱点を把握してもらえるからです。
さらに、簿記検定試験に合格するという同じ目的をもった人が専門学校には集まっており、議論を通して理解を深められるからです。触発される機会に恵まれた環境に身を置くことは、合格への一歩を踏み出すよい機会であるといえるでしょう。
以上より、専門学校の作成したテキスト・問題集を利用し、公開模擬試験を受けて本番慣れしておくことが、簿記検定3級取得での最良の勉強方法といえます。
私は、簿記検定資格を取得するために専門学校の作成したテキスト・問題集を利用しました。
その後、会社で経理実務を積んで20年以上になります。
しかし、いまだに個人的に専門学校の作成したテキストを利用する場合があります。
たとえば、会社規模が拡大していくタイミングで子会社管理が必要になる場合が挙げられます。子会社管理の講座を専門学校で用意していれば、私はすぐ専門学校の講義を受講をします。難解な専門書を独りで読むこと(=独学)もできますが、用意されている講座でテキストを利用して講義を受講する方が、ずっと理解がしやすいからです。時間があれば通学しますし、忙しいときや繰り返し受講した場合は通信講座を受講しています。
「プロとして専門学校の教材を使うのはよろしくない」と注意されることもありますが、「周りの仲の良い同僚も専門書よりも先に専門学校で学ぶ方が、理解がしやすい」というのは、私と周りの仲の良い同僚との共通の認識でした。
私は、モチベーションを保つことと理解を深めることとの2点を意識して、仕事をスムーズに行うためのきっかけ作りとして、専門学校を活用しています。
簿記検定3級試験に合格する秘訣
私の経験から簿記を「どのように学ぶか」、その最良の勉強方法を述べさせていただきます。
私の行った勉強法を以下に述べさせていただきます。
簿記検定3級試験の効果的な勉強法
私は、簿記専門学校の作成したテキスト・問題集を使って簿記3級を学びました。そして、簿記専門学校(通信・通学)での勉強を通して、「簿記専門学校での勉強の仕方」、「間違いノートの作成とテキストでの確認」、「受験の心構え」の3つについて、深く理解することができました。
ここからは、専門学校を利用した効率的な勉強方法について、「専門学校での勉強の仕方(8ポイント)」、「間違いノートの作成とテキストでの確認(4ポイント)」、「受験の心構え(3ポイント)」の合計15の守っていただきたいポイントをについて、1ポイントずつ説明していきます。
簿記検定3級試験合格のポイント
専門学校での勉強の仕方(8ポイント)
❶1つの専門学校を信じる
1つの専門学校を選んだあとは、他の専門学校のよいうわさを聞いたとしても、今通っている専門学校を信じてください。
くれぐれも「講義を受けずにテキストを独りで読む」、「模試を受けない」といったことは絶対しないでください。また、以下の3つについても忘れずに実践していきましょう。
✔すべての講義を受講する
✔問題集をすべて解く
✔模試を受けて復習する
❷講義のポイントはテキストに書き込む
専門学校のテキストを信じ、講義のポイントをテキストにダイレクトに書き込むようにしてください。自分の受講した講義は、テキストを見ればすべてわかるようにすることが大切です。
必要な場合は、メモ紙に要点を記入してテキストに貼り付けしましょう。自分のオリジナル・テキストを作り上げ、後で見返す際のポイントが短時間でわかるようにしましょう。
❸問題意識をもって講義にのぞむ
その日に受講する単元の予習をしてください。時間がない場合であっても、目次には目を通すようにしてください。そして、1回の授業で、無理やりでも1つは質問するようにしましょう。質問しようという姿勢が、実力を伸ばすことになります。通信講座の場合は、質問票を出すようにしましょう。
❹講師に質問する
講義を受講した後、意味が分からないもしくは、理解ができない場合は、講義直後に講師に質問をしてください。その場で解決するようにしてください。通信講座の場合は、WEBメールほかでの質問をして、疑問点を毎回解決するようにしてください。
❺与えられた問題集はすべて解く
専門学校で与えられた問題集は、講義の後に日を置かずに該当部分をすべて自力で解いてください。
❻公開模試はすべて受ける
答案練習会や公開模試は、カリキュラムにしたがってすべて受けるようにしてください。本番環境を常に意識して受けることが合格への秘訣です。
❼講師にチェックを依頼する
勉強の方向性が間違っていると、点数が伸びません。成績が伸び悩んだ時は、講師にどんどん相談しましょう。そして、講師に軌道修正してもらうことで、悩みが解消し効率的な学習が可能になります。
独学の場合、相談相手がいないため危険を伴います。相談できない⇒一人で悩む⇒投げ出すという状況は絶対回避すべきです。
❽受験仲間と話す
せっかく専門学校に通うのであれば、その環境を最大限に活かしてください。他の受験仲間と簿記の疑問点を“話す”ことが、記憶の定着の後押しをしてくれます。
通信講座の場合も、受験仲間と交流がとれるように工夫をしている講座があるので、有効に活用しましょう。
間違いノートの作成とテキストでの確認(4ポイント)
❶間違えた部分の『問題集 間違いノート』を作成する
講義受講後、日を置かずに該当する単元の問題集をすべて解いてください。そして、間違えた部分は、問題文のコピーをノートに貼り付け、自分で理解した解答を手書きで書いてください。
1⃣『問題集 間違いノート』の作成
❷間違えた部分の『模試 間違いノート』を作成する
模試受験後、その日のうちに自己採点してください。そして、間違えた部分は、問題文のコピーをノートに貼り付け、自分で理解した解答を日を置かずに、手書きで書いてください。
2⃣『模試 間違いノート』の作成
❸間違えた部分の『過去問 間違いノート』を作成する
過去問3年分(全9回)を、時間を計って、解いてください。過去問を解いた後、その日のうちに自己採点してください。そして、間違えた部分は、問題文のコピーをノートに貼り付け、自分で理解した解答を、日を置かずに、手書きで書いてください。
3⃣『過去問 間違いノート』の作成
❹3種類の『間違い ノート』を作成する都度、テキストの該当箇所を読み込む
3種類の『間違い ノート』を作成した後、必ずテキストの該当箇所を読み、理解するようにしてください。
受験の心構え(3ポイント)
❶勉強習慣を継続する
毎日1時間でもよいので、コンスタントに勉強する習慣をつけてください。
<参考>
✔大学受験の英語と同じ(思い出してください!)
✔毎日コツコツ、週末に長時間が成績アップの秘訣
❷各単元を網羅的におさえる
ヤマは、はらないでください。ヤマが当たらない場合には、ヤマハリは合格が遠のき、かつ危険が伴います。カリキュラムにしたがって、計画的に勉強をして、抜けがないように各単元をおさえることです。
❸短期合格にこだわらない
「1ケ月で合格をしよう」というような短期合格にこだわらず、専門学校のカリキュラムを着実に消化して、確固とした実力をつけるように心がけてください。
<効果>
◦自己流の単調な機械的作業ではなくなる
◦自分で考える力を養うことができる
◦3級を勉強した後の“成績の伸び”が違う
<簿記検定試験の合格のために行う順序>
1)専門学校選択
まず、自分に合う専門学校を選択してください。
2)講義をすべて受講
次に、専門学校のカリキュラムにしたがって、すべての講義を受講してください。
3)問題集を解く⇒模試受験⇒過去問を解く
最後に、専門学校から与えられてすべての問題を解き、模試を受験し、過去問を解いてください。
これを繰り返し行うことで、簿記検定3級試験に合格することができます。
簿記検定3級試験合格の時間管理法
簿記検定3級の試験に合格するためには、以下のように時間管理をしつつ勉強に取り組むと効果的です。
試験1ケ月前
試験1ケ月前となると、ほぼカリキュラムは終わりに近づいていると思いますので、とにかく問題を解きまくることが必要な時期です。
試験2週間前
試験2週間前では、いままでの総復習として、1⃣『問題集 間違いノート』と2⃣『模試 間違いノート』を使って、間違えた箇所を解きなおしてください。
試験2週間前では、いままでの総復習として、『問題集 間違いノート』と『模試 間違いノート』とを使って、間違えた箇所を解きなおしてください。そして、解きなおした後、テキストの該当箇所に目を通してください。その際、テキストの余白に自分の字でポイントが書き込みされていると効果が大きくなります。これを繰り返し行うことが大切な時期です。
そのほかにも、過去問を3年分(合計9回分)、時間を計りながら解いてください。なぜなら、過去問を3年間分、時間を計りながら解くことで、試験本番での感覚を事前に知ることができ、なおかつ、試験の傾向把握をすることができるからです。間違えた箇所は、3⃣『過去問 間違いノート』を作成してください。
このとき、3冊の間違いノートに、あなたの理解が不足している点と間違えて暗記していた点とを赤ペンで書いておくことをお忘れなく!
試験前日
試験前日は、『問題集 間違いノート』『模試 間違いノート』『過去問 間違いノート』の3冊のみ読み返します。
試験当日
試験当日では、とにかく落ち着いて試験を受けることが大切です。
なお、試験会場に持参するのは、『問題集 間違いノート』『模試 間違いノート』『過去問 間違いノート』の3冊のみです。(余計なことは考えないようにすることが目的です)。
上記の方法で、私は簿記検定試験を受験し、合格をしてきました。私自身の体験から、15個の守っていただきたいことを意識して勉強をすることで、簿記検定3級の試験に合格できると思います。
是非、試していただきたいと思います。
まとめ
以上のように、簿記検定3級の資格取得手段・効率的な勉強方法等を私の経験から述べさせていただきました。
簿記検定3級は、甘く見てはいけませんが、3ケ月から半年程度努力すれば合格できる資格です。早い場合は、1ケ月で合格する方もいらっしゃいます。ただ、基本をしっかり作るという意味で3ケ月は受験準備期間をとって、専門学校(通信・通学)で学ばれることをおすすめします。そして、簿記資格を取得するには専門学校をうまく利用することが重要です。
最後になりますが、あなたが今悩んでいるのであれば、会計の専門家としていつでも私にご相談ください。簿記を習得した会計人が一人でも多く社会で活躍されることを願っています。